2008/07
03

ミンダナオ―和平定着に日本も力を

ミンダナオ―和平定着に日本も力を
 フィリピンのミンダナオ島といえばバナナやパイナップル産地のイメージがまず浮かぶ。だが実は、分離独立を求めるイスラム武装勢力と政府軍とが対立する「紛争の島」でもある。
 国際テロ組織アルカイダとの関係が指摘される過激派アブサヤフの拠点もある。30年以上にわたる戦闘の犠牲者は数万人に達するという。
 この紛争に終止符を打とうと、アロヨ大統領が最大の反政府武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)に具体的な和平の条件を示し、交渉を呼びかけている。

ミンダナオ島と言われてもイメージが沸かないと思うが、日本と非常縁が深い地域である。
 ダバオというマニア麻のプランテーション農営に日本人が大きくかかわり、第二次世界大戦直前にはダバオの半数は沖縄県出身がいたとも言われる。
観光地としてはマラウィなど有名な場所も点在する。しかし、総じてフィリピンでも下層民が多い地域である。
 フィリピン総人口の5%のイスラム教徒をほとんどがミンダナオ島いる一方、後発的に上陸してきたキリスト教徒入植者と争いが近代以後堪えなかった地域でもある。
 この文面を見るとアブサヤフ側が悪いような書かれ方と思われるが、ミンダナオ島には先住民を含めて現在のフィリピン政府と対立するのもやむ得ない土壌がある。
 宗教的は融和の問題もあるが、先住民としてのムスリムの権利を奪いなら、キリスト教徒は多数派として権勢を誇った時期もある。
 ミンダナオ島はフィリピンの植民地の歴史においても異彩を放っており、16世紀のスペイン侵攻を撃退し、ミンダナオ島を実質的に支配したのは旧日本軍だけという見方もできる。
 日系人が今でも多く、出自を隠すケースも多い地域である、
 ちなみに、パイナップルはデルモンテ。バナナはドールが大きなフィリピンの企業であるw
 記述の和平協定だが、遅遅として進まない理由は非常に簡単なのである。
 反政府活動をしている組織があまりにも多すぎるのである。そして、その組織の主張も各々違う上で、各組織を統括できるようなリーダーもいないからである。
 これは、ミンダナオ島の複雑な民族分布が本質的な問題でもあるが、問題を複雑化させたのは、世界の対テロ戦争という視点が原因だろう。
 だが、そもそも和平に向けた交渉は7年前からマレーシア政府を仲介役に進んでいた。それを停滞させたのは比政府自身だった。
 5年前の停戦合意以後、国際停戦監視団が入って状況を安定させる一方、昨年末には交渉の末に非公式ながら暫定的な和平合意案ができた。ところが、自治の範囲など細部で比政府側が難色を示し、正式合意が暗礁に乗り上げていたのだ。

 高度な自治を中央政府が与えることは逆に中央政府の権力が及ばない地域を作ることになる。
 フィリピンのような潜在性、地政学的に経済発展因子のある場所にも関わらず途上国でいる理由には強い中央政府ができなかった原因があるだろう。
 むしろ、政府からすれば、国民のために強力なリーダーシップの取れる政府であろうとする気持ちもあるだろう。
 問題はその妥協点のお互いの認識だろう。
 私見から言わせて貰えば、ミンダナオ島はフィリピン国という国である必要性がないという感覚がある。地元住民もおそらくそうだろう。
 豊かなルソン島と貧しいミンダナオ島。しかし、ルソン島の豊かさの源泉がミンダナオ島の農園、観光にあるという状況にはミンダナオ島民の憤りも理解できなくもない。
 よほどの政府の妥協がない限りは、二者間の和解の道は難しいと思う。
 しびれを切らしたマレーシア政府は先月、国際停戦監視団に派遣していた自国の約30人を帰国させた。8月末には残りの十数人も引き揚げるという。
 キリスト教の影響力が強いフィリピンにあって、ミンダナオの独立闘争はイスラム教徒の運動でもある。それだけに国際停戦監視団にはイスラム諸国が要員を派遣している。その中核のマレーシアが手を引くそぶりを見せたことが、比政府に決断を促した形だ。

 不思議なことに、ムスリムを静止するためにムスリムが動員されているわけである。マレーシアがフィリピンの内政問題に介入する経緯には、国連が強く介入しているのを付け加えておく。
 関係者によると、今回の比政府の提案は十分、検討に値する内容が含まれているという。これを足がかりに交渉を再開し、出来るだけ早く和平合意にこぎつけてもらいたい。

関係者の発言を疑うわけではないが、ミンダナオ島側の関係者なのだろうか?正直、内容を知らないまま批判するべきではないのだが、希望的観測という危惧をしておきたい。
 何度も何度も和平案が提示された経緯があれども、意思統一できないフィリピンの内情を日本人がそうそう理解できるものでもないだろう。
 日本としても他人顔ではいられない。福田首相は、日本が地域紛争の解決に貢献する「平和協力国家」を目指すと表明している。日本政府も、ともすれば国内では見過ごされがちなこの地域の和平実現に、積極的にかかわっていきたい。

 福田総理の意向にフィリピン国内事情への介入が含まれるとは思えない。地域紛争というのは、国内内戦よりも国家間戦争に近い紛争を暗示していると思えるのだが・・・・
 ただ、社説の言うとおり、日本と縁の深いミンダナオ島の平和に貢献できるならば、幸いだと思う。
 停戦監視の枠組みは国連の平和維持活動ではない。だが日本政府は、2年前に国際協力機構出身の専門家を監視団に送り込む一方、政府の途上国援助(ODA)を使って紛争地の人々の生活基盤や暮らしを支援してきた。
 監視団には、ブルネイとリビアの十数人が残っているが、武力衝突事件が起きている。このままでは停戦が崩れかねない。和平機運を保つため、日本は草の根支援を強化し、専門家の派遣をさらに増やすべきだ。

 停戦監視の枠組みとしてUN以外に関与することの是非については議論が必要だと思う。
 むしろあまりこの事実を知らない国内事情を含めて積極的な情報公開を希望する。
 しかし、国際平和活動として、民生支援を強く意識した支援というのは、非常に有益だと断定したい。
単なる停戦監視では、停戦後の見通しまで解決に至れない。しかし、民生支援で兵士という職以外の糧を得られることは重要なテロ撲滅の方法論であり、支援利益は二重三重にもなる可能性もある。
この分野とこの方向性での和平支援を各国とも進んで行って欲しい。
紛争当事者を日本に招き、交渉再開のための協議の場を提供することも検討してはどうか。
 この地域では、日本の外交的な存在感は決して小さくない。さまざまな形で力を発揮できるはずだ。

 有益な提案だと思う。ODAを餌にして平和構築に貢献できるならば、日本も協力することを否定しないが、しかし、日本の財政事情を含めて慎重を帰す必要性はあるだろう。
 ただ、個人的には、ミンダナオ島の分離に近い政治決着を日本が提案できるとは思えない上に、協議のオブザーバーとしての経験の少なさを考えると難航は必至だと思う。
 しかし、そのような第三者的に協議の空間を提供するような事前外交の経験は日本に今後必要な外交手法になると思うので、是非に進めて欲しい。
 もちろん、「平和」という意味を日本政府独自が編み出し強いるのではなく、意見の調整役としての日本に希望する。
 将来的に、アジアのバランサーになれるような幻想までは抱かないが、可能性を捨てる必要性はない。
 そして、日本は親密・蜜月関係にあるモンゴルに関して、もっと前向きに外交に励んでほしい。
 その先に、中央アジア利権も転がっている、という可能性を示唆しておきたい。

 

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